1900s 10s J&H ELLIS 3pcs SET UP SUIT SACK COAT

こちらは〜10年代頃のJ&H ELLIS 3ピース スーツになります。
J&H ELLISは、資料なども少なくブランド詳細は不明ですが、ロンドンにあったテーラーの様です。見つけた資料はこちらのスーツが作られたと思われる10年代（1919）のマガジン広告で、そこにはTAILORS TO HIGH OFFICIALS AT AUSTRALIA HOUSEと記載があります。オーストラリアハウスはロンドンに今もあるオーストラリア大使館の事で、その大使館の高官向けに仕立てをしていた事がわかります。また他の30年代の資料では、住所が200&201，202 STRAND LONDONにスペースが増えておりますので、時代と共に経営が軌道に乗りスペースを拡大していったと思われます。因みに、こちらのタグは201 STRAND LONDONとまだ1か所のみのタグですので、恐らくは10年代の広告よりも古い時代の物かもしれません。実際こちらのスーツも大変に作りが良く、恐らくはビスポークで仕立てられ物だと思います。生地は上質なチャコールグレーベースのヘビーツイード地にブルーとレッド、シルバーのストライプが入ります。ジャケットはとても綺麗な立体的な袖付けのAラインで、ラウンドした裾やサイドに回り込んだポケット等とても古さを感じます。パンツはベルトループがまだ付かなく、サスペンダーボタンとシンチバックを締めて穿くデザインです。ボタンはすべてブランド刻印入りで、シンチバックは表にBRITISH刻印、裏側はセンターにシザーズが入る凝った柄デザインになっています。最近ではジャケットだけでも出てくることが少なく、セットアップで出てくることは本当に希少です。またこの時代のスーツは小さい物が多く大きいサイズの物は本当に出てきません。フォーマル生地ではないのもポイントです。多少の使用感はありますが状態も素晴らしく、着用はもちろんコレクションやデザインソースにもお勧めです。当方も沢山のオールドスーツを見て来ましたが、100年以上前の物でここまで完璧な物は数点しかありません。ご興味ある方は是非、ご検討下さい。


コンディションは多少の使用感があり、ジャケットの襟にやや大きな虫食いダメージ、腹部や背中にも数か所小さな虫食いが見られ、袖先のライナーにスレヨゴレ、ライナーの背中部分にも糸引きや薄ヨゴレが見られます。ベストはライナー脇部分に色移りが見られ、パンツの方は、スレキや左ポケットにキャンディーの様な物が入っていた様で、溶けて硬化したヨゴレがあり、右足に2か所小さな虫食いと薄ヨゴレなども見られます。年代を考慮すると状態は良い方かと思います。


素材　WOOL×COTTON


SIZE　　 JACKET　　　　肩幅47cm　身幅53cm　袖丈61cm　着丈81cm
　　　　 VEST　　　　　肩幅36cm　身幅52cm　着丈49cm（背面センター）
　　　　 PANTS　　　　ウエスト94cm　レングス69cm　総丈101cm　裾幅22cm　※レングスはあと10cm程伸ばせます。



素人採寸の為、多少の誤差はご了承ください。